第1章 1.制限行為能力者7(被保佐人の契約3)

大阪の貸事務所専門不動産野郎が宅建の独学をお助けします!

被保佐人が単独で行なって、取り消せるかどうかが問題となるもので、債務の承認があります。(前々回の⑤時効完成後の債務の承認)

債務の承認ってのは「ハイハイ、分かってますよ。借りたことは忘れてませんよ。」って借金を認めることなどです。

で、これについては、時効が完成する前と後で結論が違ってきますので、要注意ですね。

で、その前に時効って何だ?

詳しくは後日解説するとして、要するにテレサ・テン的に時の流れに身をまかせてると(スミマセン、しょーもなくて(^^ゞ)効力が生じることです。

もう少しちゃんと言いますと(最初からちゃんと言えって?)、時間の経過に効力を与えましょうってことです。

なので、「時効」って言うんです。

ここでは、債務(債権)が時効と絡んで来ますが、具体的に言いますと債権を持ってる人が長期間権利を行使しないで放ったらかしにしてると、債権(債務)が消滅しちゃいますってことです。

「権利の上に眠るものは保護しない」っていう言い方をしたりもします。

で、被保佐人が債務を負っていて、でも債権者からなーんにも催促されることがなく、とうとう時効が成立しちゃったとします。

本来なら時効が完成すると、イェーイ時効完成だぜ!もう払わないぜっ!と宣言して(これを時効の援用といいます。)債務から逃れられるのですが、債務の存在を認めちゃうと(債務の承認)この時効の援用ができなくなっちゃうんです。

何故かといいますと、時効が完成して債務が消滅したという債務者の利益よりも、債務者自らが債務の存在を認めて払うって言ってるんだから、払ってもらえるって期待してる債権者の方を保護しないとアカンでしょ!っていうのが理由です。

しかし、ここで債務の承認をしたのが、被保佐人だからややこしい。

何故って?

財産上重要なことであれば、勝手にやっちゃったことを取り消しできるんですからね。

完全な能力者であれば、時効の完成後に債務の承認をすれば時効の援用ができなくなり、債務を履行しなければならなくなります。(おーっ!何か法律的な言い方!)

が、やっぱり一旦消えたものが、復活して義務を負っちゃうっていうのはどう考えても財産上の重要なことですよねぇ(;一_一)

ってことは、時効完成後に債務の承認をしても、被保佐人が単独で行なった場合には、その承認は取り消せることになります。

つまり、債務の承認を取り消して、改めて時効の援用をして債務なんかもうないよーって言えることになります。

これに対して、時効の完成前に債務の承認をしたとしても、その効果は時効が中断するだけなので、そんなに大したことはないってことでこれは取り消しできないです。

つまり、時効の中断という効果は、ちゃんと生じます。

ん?時効の中断?何じゃそれ?って思うかもしれませんが、ここでは、債務が消滅するまでのカウントダウンが振り出しに戻って、また最初からになっちゃうって程度に考えておいて下さい。

今日はここまで!

大阪の貸事務所専門の不動産野郎による宅建独学お助けコンテンツでした!

≪今日のまとめ≫

被保佐人による債務の承認は時効完成の前後で異なります!

時効完成前⇒取り消せない!

時効完成後⇒取り消せる!

その結果どうなるかは、まとめておいて下さいね。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする